仕事の合間や、リラックスしたい時に飲みたくなるコーヒー。しかし、いざコーヒーを淹れようとしてコーヒー豆の袋を見ると、賞味期限が切れていた… …なんて経験も少なくないはず。今回は、コーヒーの賞味期限とコーヒー豆を長持ちさせる保存方法をご紹介します。
目次
コーヒー豆の劣化はいつから始まる?
コーヒーノキ(コーヒーの木)から採取したばかりの生豆は、青臭いだけでコーヒーらしい味も香りもありません。この生豆を煎って過熱処理(焙煎)をすることで、私たちが普段目にするコーヒー豆になります。
コーヒー豆の劣化は、この焙煎をした直後から始まります。
コーヒー豆を深く焙煎すると、表面にコーヒーの油脂分がにじみ出てきます。この油分が空気に触れると、空気中の酸素と結びついて、酸化が進みます。
コーヒーが酸化すると、香りや風味が損なわれて酸っぱい味わいに。酸化=劣化とも言えます。よって、できるだけ空気に触れさせないようにするのが、コーヒーの味わいを長持ちさせるコツでしょう。
コーヒーの賞味期限
コーヒーは酸化しても、腐らない
食べ物が腐る原因は、細菌の繁殖によるものです。コーヒー豆は、煎って過熱処理(焙煎)をするうえ、水分量も1%以下と細菌が繁殖しにくい環境のため、腐ることは、ほぼありません。
コーヒー豆が「生鮮食品」に分類されないのは、この腐らない事実があるからとされています。だだし、腐らなくても、酸化して風味が落ちることはあります。
コーヒーの賞味期限は未開封で1年
食品には「賞味期限」という未開封の状態でおいしく食べられる期間と、「消費期限」という未開封の状態でその食品を食べることができる期間があります。
コーヒー豆の分類は、生鮮食品ではなく、加工食品。いわゆる痛みにくい食品ですので、コーヒー豆(粉)の袋に表示があるのは「賞味期限」です。この「賞味期限」ですが、焙煎元によって違いはありますが、未開封で1年程と指定しているお店が多いようです。
開封済みのコーヒーの場合
多くの人が知りたいのは、コーヒー豆(粉)を開封した後、おいしく飲める期間はいつまでか、ではないでしょうか。
一般的に開封後は、コーヒー豆であれば30日以内、コーヒー粉であれば1~2週間以内で飲み切るのがベストとされています。
コーヒー豆の鮮度を保つ重要な3つのポイント
おいしいコーヒーは、コーヒー豆の鮮度で決まるといっても過言ではありません。新鮮なコーヒー豆をその都度購入できればよいのですが、なかなか現実的ではないですよね。
こまめに購入できない場合は、残ったコーヒーをうまく保存できれば、香りや風味を長持ちさせることが可能です。コーヒー豆を保存するうえで、気を付けたいポイントを次にまとめました。
空気に触れないようにする
コーヒー豆は、空気に触れることで酸化が進み、徐々に香りや味が損なわれていきます。よって、外気をシャットアウトできる容器に保存することが重要です。
コーヒー豆専用の保存缶(コーヒーキャニスター)を使用すると、効率よく保存ができます。なるべく密閉性が高く、遮光性があるものがおすすめ。キャニスターがない場合は、ジップロックに入れ暗所に保存するなどしても構いません。
高温・多湿を避ける
食品全般に言えることですが、気温が高く、ジメジメした湿度の高い場所では、細菌が繁殖し、食品が腐りやすくなります。コーヒー豆も同じで、酸化のスピードを速める原因になります。
保存場所は、風通しがよく、温度が一定の場所に置くようにしましょう。
直射日光を避ける
太陽光が直接コーヒー豆に当たると、光や熱によって、コーヒー豆や保存容器内の温度が上昇します。さらに紫外線の影響もあって、豆の変質や劣化にもつながります。
直射日光の当たる窓際での保管は避け、なるべく太陽光の当たらない暗所に保管しましょう。
最適なコーヒー豆の保存方法
コーヒー開封後、2~3日以内で飲み切るとき
コーヒーを開封して、2~3日以内で飲み切れる量であれば、常温保存がおすすめです。最適な温度は20度前後。室温が高くなる夏場であれば、冷蔵庫に入れた方が良さそうです。
コーヒー開封後、3週間以内
コーヒーを開封して、3週間以内で飲み切れる場合、冷蔵庫での保管が適しています。
冷蔵庫で保管する際は、他の食品からの臭い移りを防ぐためにも、密閉できる容器に入れた方がよいでしょう。密閉容器がなければジップロックなどでも構いません。
コーヒーを淹れる時は、一旦常温に戻してからコーヒー豆を挽くと、よりコクの深いコーヒーが抽出できます。
1カ月以上飲まなそうなとき
コーヒー豆を購入したけどすぐには飲まない、または開封したけどしばらく飲まないなど、長期保存が必要な場合は、冷凍保存が望ましいです。
冷凍保存をすれば、それこそ半年や1年でも飲むことができます。「おいしく」飲むようにするなら、冷凍保存でも1~2ヶ月以内を目安に飲み切るのが良いです。
コーヒーを淹れる時は、一旦常温に戻してから、豆を挽くことをおすすめします。
コーヒー粉の保存方法
コーヒー粉は、豆を細かく挽いたものなので、豆よりも空気に触れる時間が長く、劣化スピードが早くなります。コーヒー豆を挽いてから1~2週間以内で飲み切るのがベストとされています。
1~2週間を過ぎてしまう場合は冷凍保存をしても良いですが、豆で保存するときと比べて、風味や味は落ちてしまいます。やはり早めに飲み切るのがベストでしょう。
賞味期限切れのコーヒーは消臭剤に再利用
コーヒー豆は賞味期限が切れても飲むには飲めます。しかし、飲めても香りや風味が抜け落ちてイマイチなんてことも。賞味期限切れのコーヒーをそのまま捨てるのはもったいないし、何かに活用したい!と考えている人に紹介したいのが、コーヒー粉を消臭剤として活用する方法です。
コーヒーは多孔質のため、臭いや湿気を吸い取る効果があります。汗など臭い成分の元になるアンモニア臭について言えば、挽いたコーヒー豆は、活性炭以上の効果があるという研究結果もあるそうです。
賞味期限切れのコーヒー粉を袋などに入れて、臭いの気になる箇所におけば、脱臭剤代わりになります。冷蔵庫や下駄箱、ゴミ箱など臭いのこもりやすい場所に置いて、コーヒーの消臭力を試してみましょう。
おいしいコーヒーを楽しむために
コーヒーは繊細な飲み物ですが、コーヒー豆の保存方法に気を付ければ、コーヒーらしい香りと風味を長く保つことができます。今回紹介した保存方法を参考にして、お気に入りのコーヒー豆を長持ちさせて下さいね。