コーヒーは毎日飲むものだから“安全性”にこだわりたいもの。でも実際には、オーガニックやカフェインレスなど、さまざまな種類のコーヒーがあってどれを選んだらいいのかよく分からないですよね。
そこで注目してほしいのがコーヒーの「トレーサビリティ」です。トレーサビリティに配慮することによって、おいしいコーヒーをより安心・安全に楽しめるようになります。今回は、そんな“トレーサビリティ”の魅力とメリットを紹介します。
目次
トレーサビリティとは?
トレーサビリティ(traceability)とは、原材料の生産から流通・販売までのすべてのルートが追跡可能なことです。日本語では「追跡可能性」と呼ばれています。2000年代の牛肉BSE問題を発端に食に対する安全意識が高まり、現在ではコーヒー豆を含む飲食物のトレーサビリティの実現が求められています。
例えば、コーヒー豆のトレーサビリティの実現には、コーヒー農園の栽培環境や肥料・農薬の使用状況などといった情報の開示が必要です。コーヒー豆のトレーサビリティは、「フェアトレード」をはじめとする団体によって査定されており、トレーサビリティの確保が認証の条件となっています。
トレーサビリティのメリット
コーヒー豆のトレーサビリティに配慮することは、多くのメリットがあります。
1.安心して飲める
トレーサビリティに配慮したコーヒーは、生産から販売までの経路の透明性が高いため、安心して飲むことができます。
通常のコーヒーの場合、私達は「インドネシア産」や「ハワイのコナ産」など国や地域単位でしか産地を知ることかできません。しかし、トレーサビリティの高いコーヒーなら、「どの農場で育ったのか」「どんな農薬が使われたのか」などといったコーヒー豆に関する情報がすべて分かるのです。
トレーサビリティに配慮したコーヒー豆には、スーパーで見かける“顔が見える野菜”とよく似た安心感があります。
2.環境に優しい
トレーサビリティの実現には、コーヒー農園の栽培環境や肥料・農薬の使用状況が不透明であってはなりません。そのため、トレーサビリティに配慮することで、消費者の立場から生産や流通のプロセスにおける環境配慮の実態が分かるようになります。
3.コーヒー作りについて考えるきっかけが生まれる
トレーサビリティを実現したコーヒーは、私達に“コーヒー作りについて考えるきっかけ”を与えてくれます。というのも、トレーサビリティに優れたコーヒーは、1杯のコーヒーとして消費されるまでの経路や、生産者の顔、ストーリーを深く感じることができるためです。
トレーサビリティにまつわるコーヒー用語
次に、トレーサビリティと深くかかわるコーヒー用語「スペシャルティコーヒー」と「シングルオリジン」を紹介します。
スペシャルティコーヒーとは?
スペシャルティコーヒーとは、「消費者がおいしいと評価して満足するコーヒー」のこと。スペシャルティコーヒーとして流通するためには、日本スペシャルティコーヒー協会による評価基準を満たす必要があります。その評価基準のひとつとして、トレーサビリティが用いられています。
スペシャリティコーヒー協会は、“From Seed to Cup”の概念を掲げ、消費者に安全なコーヒーを提供することを大切にしています。つまり、スペシャルティコーヒーとして認定されるためには、トレーサビリティが高く安全であることが欠かせないのです。
シングルオリジンとは?
シングルオリジンとは、「豆の産地が明確なコーヒー」のこと。同じ農場で生産されたコーヒーをひとつの銘柄として扱うため、コーヒー豆と農園のもつ個性をダイレクトに楽しめるのが特徴です。
そんなシングルオリジンは、単一産地が条件なことからトレーサビリティにも優れています。シングルオリジンコーヒーを手に取れば、トレーサビリティのメリットが存分に楽しめます。
トレーサビリティを意識してコーヒーをもっと安全に
トレーサビリティに配慮したコーヒーは、生産から販売までの透明性が高く、安心して飲むことができます。この記事を読んで「トレーサビリティの高いコーヒーを飲んでみたい!」と思ったら、ぜひトレーサビリティに優れたスペシャルティコーヒーやシングルオリジンコーヒーを手に取ってみてください。