コーヒー通の間でひそかに注目を集め、トレンドにもなりつつある「ハニープロセス」。名前は聞いたことあるけど、詳しく知らないという方も多いのではないでしょうか。そこで、この記事では、コーヒー豆の精製方法のひとつである「ハニープロセス」について、精製の工程や味の特徴などくわしく紹介します。
目次
ハニープロセスとは?
ハニープロセスとは、収穫したコーヒーチェリーの果肉だけを取り除き、粘液質(ミューシレージ)を残したまま乾燥させる精製方法のことです。中米などでよく使われる精製方法で、コーヒー豆の風味や味わいを調整するために用いられます。
その名前から、「ハチミツのように甘いの?」とか「ハチミツを使ったコーヒー?」などと想像する方もいるかもしれませんが、ハチミツとは無関係です。ハニープロセスはスペイン語で「ミエル・プロセソ(Miel proceso)」と言います。実は、この「ミエル」は、「ミューシレージ」と「蜂蜜」の2つの意味を持つ単語なのです。ここから、英語では「ミエルプロセソ」のことを「ハニープロセス」と呼ぶようになりました。
ハニープロセスで作られたコーヒー豆は、ミューシレージをすべて取り除いてから乾燥させるウォッシュド製法よりも、より華やかな香りが引き立ちます。
ハニープロセスの4つの種類
ハニープロセスは、ミューシレージの量と乾燥時間によって5つの種類に分かれます。仕上がった際の色合いから、「ホワイトハニー」「ゴールデンハニー」「イエローハニー」「レッドハニー」「ブラックハニー」とそれぞれ呼ばれています。地域や農園によって多少の差はありますが、一般的な工程は以下の通りです。
種類 | 工程 |
ホワイトハニー | ミューシレージを90%ほど除去する |
ゴールデンハニー | ミューシレージを75-80%ほど除去する |
イエローハニー | ミューシレージを50%ほど除去する |
レッドハニー | ミューシレージを20-25%ほど除去する |
ブラックハニー | ミューシレージを少しだけ除去または除去しない |
ミューシレージが多く残っているものは、その分乾燥させる時間も長くなります。ホワイトハニーの場合、乾燥期間は1週間程度であるのに対し、ブラックハニーは1ヶ月ほど乾燥期間が必要です。
ハニープロセスの「味」の特徴
ひと口にハニープロセスといっても、ウォッシュドに近いクリーンな味わいのものから、華やかでグラマラスなフルーツ感たっぷりのものまで、豆によって特徴はさまざまです。
ミューシレージの量が多く乾燥時間が長いほど、ミューシレージ中の糖分がゆっくりと染み込むため、風味が強くなります。上で紹介した種類の中だと、「ブラックハニー」が一番風味豊かなコーヒー豆ということですね。
生産地の特徴や、どの程度ミュージレージを除去しているのかに注目して選ぶと、自分好みの味に出会える確率が上がるでしょう。
ハニープロセスのコーヒーを堪能しよう!
ハニープロセスは、コーヒーの精製方法のひとつで、中米などで用いられる手法です。精製方法としては、ウォッシュドやナチュラルなどと比べるとまだまだ新しくマイナーですが、近年では高い注目を集めています。まだ飲んだことないという人は、ぜひハニープロセスのコーヒーを手に取ってみましょう。