コーヒーの粉にお湯を注いで抽出する「ドリップコーヒー」は、自宅で本格コーヒーを楽しむ方法のひとつ。ハンドドリップは一見簡単そうに見えて実は奥が深く、「自分で淹れると何かが違う……」と感じている人も多いのではないでしょうか。今回は、ドリップコーヒーを淹れる時のちょっとしたコツを紹介します。

まずドリップに必要な道具を揃えよう

ドリップコーヒーを淹れる際は、基本的に以下4つの道具を使います。

  • ドリッパー
  • ペーパーフィルター
  • コーヒーサーバー
  • ドリップポット

道具がそろわない場合は、ドリッパーとペーパーフィルターの2つをカップに直接取り付けてコーヒーを淹れることも可能です。

ドリッパーとペーパーフィルターは同形状のものを選ぶと、密着度が上がり、より安定したドリップができるようになります。コーヒーサーバーは、コーヒーを2杯以上淹れる際に、あると便利ですのでぜひ活用してみてくださいね。

ドリップコーヒーの淹れ方

続いて、自宅でドリップコーヒーを淹れる手順を、ちょっとしたコツとともに紹介していきます。

1|道具・材料を用意

まずは上記で紹介した4つの道具と、コーヒーの粉を用意します。豆からコーヒーを淹れる場合は、直前に豆を挽きましょう。

粉とお湯の量の目安

コーヒー1杯分の粉の量は、10〜12gが適量で、湯量は120cc〜180cc。好みの濃さに合わせて調節するのはもちろん自由ですが、「粉の量は基本10g」「湯量は基本150cc」と覚えておくと失敗しにくくなります。

予めお湯の量を測っておくかスケールを用意して、お湯の量は毎回一定にした方が良いでしょう。

陶器を温めておく

また、下準備として、ドリッパーやコーヒーサーバーを沸騰したお湯で温めておきましょう。冷たいままだと、コーヒーが冷めやすいのはもちろん、香りや風味を損なう原因になります。

2|ペーパーフィルターと粉をセット

下準備ができたら、ドリッパーにペーパーフィルターと粉をセットしましょう。粉を入れたらドリッパーを軽くゆすり、粉の表面を平らに整えます。

3|2割ほどのお湯を注ぎ30秒〜1分蒸らす

ここからお湯を3回に分けて注いでいきます。

まずは、2割ほどのお湯を中央から外側に円を広げていくように丁寧に注ぎます。乾いた粉にお湯を染み込ませるイメージで、15秒ほどで注ぎましょう。その後、30秒から1分蒸らします。

豆とお湯がしっかりと馴染むことで、よりバランスの取れた味わいが楽しめるようになります。

4|さらに2割ほどのお湯を注ぐ

さらに2割ほどのお湯を追加します。「蒸らし」が終わったら、残りのお湯を一気に注いでしまいたくなりますが、焦りは禁物です。

5|4が落ちきる前に残りのお湯を注ぐ

4で注いだお湯がすべて落ちきる前に、残りのお湯をすべて注ぎます。お湯を注ぎ始めてから3~5分以内に収まるように注ぐのがポイント。抽出が終わったら完成です。

サーバーに溜まったコーヒーは、カップに注ぐ前に軽くかき混ぜると濃度が均一になります。淹れたてを冷めないうちにいただきましょう。

ドリップコーヒーでこだわりたい3つのポイント

豆の挽き加減

粉の粒の細かさによって、コーヒーの味わいは大きく変化します。

基本的に、コーヒー豆は細かく挽けば挽くほど、「苦味」が強く出るようになります。ペーパードリップとの相性が良い挽き加減は、中細挽き〜中挽き。粒が細かすぎる、または粗すぎることのないように気をつけましょう。

抽出にかける時間

コーヒーの味わいは抽出にかける時間の長さによっても、大きく変化します。

抽出時間が長いとコーヒーの濃度が濃くなり、基本的にコクも苦味も濃い味になります。一方で抽出時間を短くすると、濃度が薄まり全体的に薄く、さっぱりとした味になります。

一般的な抽出時間の目安は3〜5分です。焦って早く抽出してしまうのも、時間をかけすぎてしまうのも禁物です。抽出時間は一定にして、豆の焙煎度で味を変えることを心がけましょう。

お湯の温度

「熱々が好きだから……」といって沸騰したてのお湯を注ぐのはNGです。ドリップコーヒーの抽出時は、90〜95℃のお湯が最適です。

温度が高いと、より濃度が高まり「苦味」や「渋味」の強い味わいに、温度が低いと、より軽い味わいになります。ですので、浅煎りコーヒーの場合は高温、そして深煎りコーヒーの場合は低温で淹れるのがおすすめです。

ドリップコーヒーとエスプレッソの違い

ここまで、ドリップコーヒーについて触れてきましたが、最後にエスプレッソとの違いについてご紹介します。

これら2つの大きな違いは、ひとことで言うと「抽出方法」です。また、抽出方法によって「濃さ」や「味わい」も大きく違ってきます。

短時間で少量のお湯で抽出するエスプレッソは、濃厚な味わいが魅力です。お湯の重さだけで成分をろ過して抽出するドリップコーヒーはよりスッキリとした口当たりが特徴です。

ドリップにこだわって、いつもの1杯をもっとおいしく!

ドリップコーヒーのおいしい淹れ方をマスターしておけば、自宅でのいつもの1杯がより特別になるでしょう。慣れてくると、自分好みの味にすることも可能ですよ。まずは、豆の挽き加減、抽出のスピード、お湯の温度の3点にこだわることから始めてみましょう!

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