フラスコにアルコールランプと、化学実験のような見た目が特徴のサイフォン式コーヒー。雑誌やテレビで見かけることはあっても、実際にサイフォンを使ったことがあるという人は少ないでしょう。でも実は、器具さえそろえば、意外と簡単に自宅でサイフォン式コーヒーを淹れることが可能です。この記事では、サイフォン式コーヒーの淹れ方と気をつけたいポイントを紹介します。
目次
サイフォン式コーヒーとは?
サイフォン式コーヒーとは、「フラスコ」に入ったお湯を熱し、気圧の変化によってお湯を上昇させ、「ロート」で抽出する方法です。化学実験のような見た目と、蒸気圧を利用するユニークな抽出方法が特徴です。
サイフォンはドリップと比べてお湯の温度が高いため、豆の「香り」と「味わい」を最大限に引き出すことができますが、火加減や撹拌などの難易度が高いとされています。
ただし、コツさえ掴んでしまえば、いつでも安定した味わいの1杯を淹れることができるようになります。
サイフォン抽出に必要な器具
サイフォン式コーヒーを淹れるのに必要な器具は、ハンドドリップやフレンチプレスと比べて多くあります。
サイフォン抽出に必要な器具は下記7つです。
- ロート・フラスコ
- アルコールランプ
- 布フィルター
- ろ過器
- 竹べら
- メジャースプーン
- ケトル
「布フィルター」と「ろ過器」はコーヒーをろ過する際、そして「竹べら」はコーヒーを撹拌する際に使用します。「メジャースプーン」と「ケトル」は、コーヒー専用のものがあるといいでしょう。
サイフォン式コーヒーの淹れ方
続いて、上記で紹介した7つの器具を用いてコーヒーを淹れる方法を詳しく紹介します。
1.フィルターとろ過器の準備
必要な器具がそろったら、まずは布フィルターを水で洗い、絞って水気を取り除きます。ろ過器に布フィルターをしっかりと固定したら下準備の完了です。
2.お湯を沸かす
フラスコに杯数分のお湯を入れ、外側を乾いた布で拭き取ってから、アルコールランプで熱し沸かしていきます。
コーヒーの粉がお湯を吸収するので、お湯の量はでき上がり量のおおよそ「2割増し」とするのがポイントです。たとえば、150mlを1杯とする場合、180mlのお湯を沸かしましょう。
3.フィルター・コーヒー粉をセットする
次に、ロートにフィルターとコーヒー粉をセットしていきます。
フィルターはお湯で一度温めてから、冷めないうちにロートの奥にセットし、杯数分の粉を淹れます。コーヒー1杯分(150ml)の分量は、豆の挽き具合によって異なります。
挽き具合 | 粉の量(コーヒー1杯分) |
---|---|
中細挽き | 10g |
中挽き | 15g |
粗挽き | 18g |
上の表を目安に、好みの味に合わせて量を加減しましょう。
4.撹拌①
フラスコ内のお湯が沸騰したら、ろ過器とコーヒー粉をセットしたロートをフラスコに取り付けます。
ろ過器に付いているボールチェーンをお湯に沈めた際、ボコボコとした泡が見えたら、タイミングは完璧です。セットが完了すると、お湯が上昇してくるので、竹べらを使って撹拌して粉とお湯を馴染ませましょう。この際、2〜3回、円を描くように混ぜると良いでしょう。
5.撹拌②
弱火で1分ほど抽出したら、火を止めて再び撹拌します。1回目と同じく円を描くように混ぜましょう。
6.抽出液が落ちきったら完了!
ロートで抽出されたコーヒー液が、すべて落ちきったらコーヒーのできあがりです。ロートを取り外し、カップにコーヒーを注いで美味しくいただきましょう。
7.器具のお手入れ
コーヒーを楽しんだ後は、ロート・フラスコを丁寧に洗浄し、乾かしましょう。布フィルターに関しては、水洗いをした後、水に浸して冷蔵庫で保管します。
気をつけたいポイント
最後に、サイフォン式コーヒーを淹れるにあたって気をつけたいポイントを紹介します。
抽出時間
1回目の撹拌後、タイマーで「抽出時間」を計りながら抽出するようにしましょう。抽出時間は豆の挽き具合にもよりますが、1分以内が目安です。1分を超えると、「雑味」が強く出てしまうので注意が必要です。
器具の取り扱いは丁寧に
ロート・フラスコやアルコールランプなど、日常生活であまり触れる機会の少ない器具は、誤った取り扱いをすると破損やケガの原因となりますので、丁寧に取り扱いましょう。
また、サイフォン式コーヒーではお湯を直接熱するため、やけどをしないように細心の注意を払いましょう。
サイフォン式コーヒーは「淹れる」時間も楽しもう
サイフォン式コーヒーは、コーヒーを淹れる際の「香り」と「雰囲気」を楽しむことができる、とっておきの淹れ方です。慣れるまでは手間がかかってしまうかもしれませんが、慣れれば香り高いコーヒーを安定して淹れることができるようになりますよ。「コーヒーを“淹れる”時間を楽しみたい!」という人は、ぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。