コーヒー好きの人ならきっと一度は耳にしたことがある「シングルオリジン」。その名前から、ストレートコーヒーのようなものだと思っていませんか?でも実は、シングルオリジンには、「トレーサビリティ」や「個性」といった特別な特徴があるんです。そこで今回は、シングルオリジンコーヒーの魅力と、他のコーヒーとの違いを解説します。
目次
シングルオリジンとは?
シングルオリジンコーヒーとは、栽培された農園や生産者の特定ができるコーヒーのこと。
普通のコーヒーは、「ブラジル」や「ハワイのコナ地区」など国・地域単位で産地が表示されるのに対して、シングルオリジンでは“どの農園で育ったのか”まで明確です。このように産地が追跡可能なことを「トレーサビリティ」といいます。
シングルオリジンの魅力
生産者の顔が見える
豆の産地が農園単位で分かるシングルオリジンでは、その「コーヒー栽培に携わった人の顔が見える」ことが特徴です。
農園や生産者が特定できるということは、裏を返せば「きちんと良いものを作っています」という自信や誇りの証だと言えるでしょう。農園によっては生産ストーリーや生産者の想いなどを知ることもでき、コーヒー作りについて考えるきっかけも生まれます。
そして、豆が農園単位まで分かることにより、私たちはコーヒーを安心して口にすることができます。スーパーで見かける「〇〇農家の山田さんが作ったトマト」を手にした時のような安心感が、シングルオリジンにはあります。
豆の本来の味や個性が楽しめる
シングルオリジンは、トレーサビリティが高いことの他に、それぞれのコーヒー豆が持つ個性的なフレーバーを味わえるという魅力があります。
近年、コーヒー豆は同じ品種でも、農園によって適切な栽培方法や処理方法が異なり、品質や味にも差が出てきています。シングルオリジンでは、品種の個性はもちろん、農場の個性までをも楽しむことができます。
シングルオリジンと似ている?他のコーヒーとの違い
ここまでで、シングルオリジンの特徴を見てきました。そこで次に、シングルオリジンと一見よく似ている「ストレートコーヒー」「スペシャルティコーヒー」との違いを紹介します。
ストレートコーヒーとの違い
ストレートコーヒーは、シングルオリジンと同じく「他の豆とブレンドされていない」という特徴を持っています。しかし、これら2つのパッケージに記載されている産地の単位は大きく異なります。
ストレートコーヒーは、「ブラジル」や「ブルーマウンテン」など、国や地域単位で産地が記載されているのに対して、シングルオリジンでは、「ブルーマウンテン スミスさんの農園」と農園単位で記載されているのが特徴です。
スペシャルティコーヒーとの違い
スペシャルティコーヒーとは、日本スペシャルティコーヒー協会が作った独自の採点基準に合致した豆のこと。シングルオリジンは、協会の認定を受けていなくとも、農園単位までトレース可能な豆のことを言います。
スペシャルティコーヒーも、トレーサビリティや安全性に関する評価基準があるので、その点ではシングルオリジンと似ていますね。
シングルオリジンで豆の「個性」を楽しもう!
シングルオリジンは、それぞれの豆が持つ「個性」や「生産ストーリー」が楽しめるのが特徴のコーヒーです。シングルオリジンについて知っておけば、自分のお気に入りの銘柄を、「農園単位」でより楽しむことができるでしょう。
まずは自分の好きな銘柄のシングルオリジンを手に入れて、豆と農園の「個性」を楽しんでみてくださいね。