多くの人に愛飲されているコーヒーですが、最近では「カフェインレス」や「デカフェ」のコーヒーが増えてきています。カフェインの摂取を控えたいという人から高い人気を集める一方で、「おいしくなさそう……」とか「安全性は大丈夫なの？」とあまりいい印象を持たない人もいるでしょう。今回は、そんなカフェインレスのコーヒーの製造方法からメリット・デメリットまで詳しく解説します。
目次
カフェインレスのコーヒーとは？
カフェインレスのコーヒーとは、豆に含まれるカフェインを除去したコーヒーのことです。
日本では、全日本コーヒー協会により、カフェインを90％以上除去したもののみ「カフェインレス」「デカフェ」といった表示が可能となっています。
健康上の理由でカフェインの摂取を控えたいという人や、時間や量を気にせずコーヒーを楽しみたいという人から愛飲されています。
カフェインレスコーヒーの製造方法
「豆からカフェインをどうやって除去しているの？」と疑問に思う人は多いでしょう。ここでは、カフェインレスコーヒーの主な製造方法を3つ紹介します。
1．二酸化炭素抽出
二酸化炭素を使ってカフェインを除去する方法です。
この製造方法では、香りや味の成分はそのままに、カフェインだけを狙って取り除くことができるので、コーヒー本来のおいしさを楽しむことができます。
「味を損なわない」「人体へ悪影響がない」という点において優れた製造方法ですが、コストがかかるのがデメリットです。
2．有機溶媒抽出
有機溶媒抽出とは、金属の機械を洗浄する溶剤で生豆を洗浄してカフェインを抽出する製法です。
「ケミカル・メソッド」とも呼ばれており、日本では「危険」という認識が高いため、輸入・販売が禁止されています。
私たちが日本で手にするカフェインレスコーヒーは、有機溶媒抽出以外の安全な製造方法を用いたものなので心配は不要です。
3．水抽出
生豆を水に浸し、溶け出したカフェインを除去するという、日本で許可されている一般的な製法です。
二酸化炭素抽出と比べて、抽出時に香りや味わい成分も一緒に減少してしまうというデメリットがあげられます。
カフェインレスコーヒーのメリット
続いて、カフェインレスのコーヒーが選ばれる理由とメリットを紹介します。
好きなときに、好きなだけコーヒーが楽しめる
「もう夜遅いから……」とか「今日はもう2杯飲んだし……」といった理由で、大好きなコーヒーを飲むことを諦めたという経験は、誰しも一度はあるのではないでしょうか。
しかし、カフェインレスのコーヒーなら、カフェインの摂り過ぎや覚醒作用を気にせず、いつでも好きなときにコーヒーを楽しむことができます。
妊娠中や授乳期でも安心
妊娠中・授乳中は、赤ちゃんへの影響を考え、カフェインの摂取を控えている方も多いでしょう。
カフェインレスのコーヒーであれば、妊娠中・授乳中でも安心して、コーヒーを飲むことが可能です。
カフェインレスコーヒーのデメリット
メリットが多いカフェインレスですが、デメリットもいくつか存在します。
値段が高い
カフェインレスコーヒーは、「カフェインを取り除く」という手間がかかっているため、普通のコーヒーよりも値段が高いです。
経済的という理由で選ばれやすいインスタントコーヒーであっても、カフェインレスのものは値段が張ってしまいます。
覚醒作用がない
コーヒーに多く含まれるカフェインには、「覚醒作用」があります。
しかし当然ながら、カフェインが除去されたコーヒーには、「眠気覚まし」や「集中力の向上」といった効果がありません。ですので、飲む人によっては、物足りなく感じるでしょう。
集中したいときには普通のコーヒーを飲むなど、シーンによって、カフェイン有り・無しのコーヒーを飲み分けることをおすすめします。
カフェインレスコーヒーの味は実際どうなの？
大きく風味は変わらない
カフェインレスのコーヒーでは、味や風味に違いがあるのか気になりますよね。
結論から言うと、カフェインレスだからといって大きく味や風味が落ちることはありません。製造方法にもよりますが、「カフェインによる苦味成分」が少し薄くなる程度です。
美味しさ重視なら「二酸化炭素抽出」のコーヒーを
また、一般的に「二酸化炭素抽出」を用いたものは、特に味や風味が損なわれにくいと言われています。
「カフェインを控えたいけど、コーヒー本来のおいしさをそのまま味わいたい！」という人は、製造方法にも目を向けてみるといいでしょう。
カフェインレスで、コーヒーをもっと気軽に！
カフェインレスのコーヒーは、健康上の理由でカフェインを摂取したくないという人でも、気軽に楽しめるのが特徴です。「コーヒーが大好きだけど、カフェインが……」と、これまでコーヒーを我慢していたという人は、カフェインレスコーヒーを試してみてはいかがでしょうか。
