コーヒー好きの間で珍しいと話題の「コピ・ルアク」。ジャコウネココーヒーとも呼ばれ、そのユニークな名前から「どんなコーヒーなの?」と疑問に思う人は多いのではないでしょうか?コピ・ルアクは、インドネシアに生息するジャコウネコの“糞”から採取されたコーヒー豆です。その採取方法だけ聞くとショックを受けてしまうかもしれませんね。

そこで今回は、コピ・ルアクの基本知識や製造過程、そしておいしい飲み方を紹介します。

コピ・ルアクとは?

コピ・ルアクとは、インドネシアに生息する「ジャコウネコ」の糞から採取した生豆を、よく洗浄・乾燥後、焙煎したものです。

インドネシア語で、
コピ=コーヒー
ルアク=ジャコウネコ

という意味があります。

コーヒー豆は、ジャコウネコの腸内で発酵され、独特なフルーティーな風味へと変化します。

農場にもよりますが、すべての洗浄作業がほとんど手作業で行われるため、コピ・ルアクは大量生産が難しいとされ、高級豆のひとつとして知られています。

コピ・アルクができるまで

続いて、ジャコウネコから糞として排出された生豆が、「コピ・アルク」として販売されるまでの製造過程を紹介します。

1.ジャコウネコが「おいしい」豆を食べる

バナナやパパイヤなどの果物を主食とするジャコウネコは、動物では珍しくコーヒーの赤い実を口にします。“コーヒーチェリー”とも呼ばれるコーヒーの赤い実は、舐めると甘い味がするので、ジャコウネコは飴玉のように味わってから飲み込みます。

ジャコウネコは食欲が旺盛なグルメで、数あるコーヒーの赤い実の中でも、完熟した“おいしい”豆しか食べないそうです。コーヒー豆の「ハンドピック」にジャコウネコが力を貸してくれるので、糞から豆を採取するだけで確実に「高品質の豆」を手に入れることができるわけですね。

2.ジャコウネコの糞からコーヒー豆を採取

次に、ジャコウネコから糞として排出された生豆を採取します。

ジャコウネコの体内では、コーヒーの赤い実の固い皮を消化することはできないので、コーヒー豆は消化されずに排泄されます。その糞の中からコーヒー豆を採取していきます。

3.コーヒー豆を洗浄・乾燥・焙煎

採取された生豆は、繰り返し洗浄・乾燥が行われます。手作業でしっかりと洗浄が行われるため、糞の付いた豆が誤って混入してしまうといった心配はありません。

きれいに洗浄されたコーヒー豆は、何日もかけて天日干しされた後、手作業で皮が剥かれ、焙煎されます。

コピ・ルアクの味は?

コピ・ルアクは、「コクが強く、しっとりした味わい」が特徴です。それに加え、ジャコウネコの腸内で発酵されたことにより、独特でフルーティーな味わいも楽しめます。

通常のコーヒー豆と製造過程が大きく異なるコピ・ルアクは、コーヒー通の人でも、味わいの想像がつきにくいかもしれません。気になる方はぜひ試してみてください。

コピ・ルアクはなぜ「値段が高い」?

コピ・ルアクは、珍しい製造過程以外に、「値段が高い」ことでも有名です。喫茶店でコピ・ルアクをいただくとなると、1杯2,000円〜8,000円くらいが相場となっています。

コピ・ルアクが高級豆である理由は、一言でいうと「希少価値が高いから」です。そもそも、ジャコウネコの糞からしか採れず、更に採取・精製はすべて手作業で行われることがほとんどのため、大量生産ができないのです。

コピ・ルアクをおいしくいただくポイント

貴重なコピ・ルアクを手に入れたなら、一番おいしい飲み方を知っておきたいところですよね。ここでは、コピ・ルアクをさらにおいしくいただくためのポイントを3つ紹介します。

1.いつもよりちょっと濃い目で

基本的には、コピ・ルアクだからといって特別な準備・淹れ方は特に必要ありません。ペーパードリップや、フレンチプレスなど、自分が好きな淹れ方で大丈夫です。

ただ、強いて言えば、いつもよりちょっと「濃いめ」で淹れるのがおすすめです。いつも使っているマグカップよりも少し小さめのカップをチョイスするか、1杯あたりの粉の量を増やすといいでしょう。

また、コピ・ルアクの独特な味わいを感じやすくするために、ストレートでいただくことをおすすめします。とはいえ、淹れ方や濃さの好みに関しては人それぞれですので、いろいろ飲み比べて、自分に合った飲み方を探してみてください。

2.「インドネシア式」でより手軽に

コピ・ルアクは、産地にちなんで「インドネシア式」で淹れるのもおすすめです。インドネシア式とは、コーヒーの粉と砂糖をカップに入れ、お湯を直接注ぐというコーヒーの飲み方です。

インドネシア式で淹れる手順

コピ・ルアクを、インドネシア式で淹れる手順を見てみましょう。

  1. コーヒー豆を、できるだけ細かく挽く
  2. カップに10gほど粉を入れる
  3. お好みで、砂糖を加える
  4. お湯を直接注ぐ
  5. 粉が沈殿したら、完成!

インドネシア式で淹れるポイント

インドネシア式で淹れるポイントは、豆を「小麦粉」のような細かさに挽くことと、お湯を注いだ後、粉が沈殿するまでしばらく待つことです。粉が沈殿したところで、コーヒーの上澄みだけを飲むイメージです。

フィルターを使わずにコーヒーを淹れることに違和感を覚えるかもしれませんが、必要な道具はミルとカップだけなので、かなりお手軽な淹れ方です。

「本場の飲み方でいただきたい」「コピ・ルアクをもっと手軽に飲みたい!」という人は、ぜひ試してみてはいかがでしょうか?

3.果物やチョコレートと一緒に

コピ・ルアクは、果物やチョコレートとの相性が抜群です。

コーヒーと一緒にチョコレートなどの甘いお菓子を楽しむことはあっても、「果物」をいただくことはあまりないかもしれません。少し意外に感じる組み合わせではありますが、果物と合わせることで、コピ・ルアク独自の「酸味」をより引き立たせることができます。

オレンジやイチゴなど、好みのフルーツをチョイスして、コピ・ルアクをもっと楽しんでみてください。チョコ好きの方は、ぜひお好みのチョコレートと一緒に、ほどよい口当たりを楽しみましょう。

珍しさで選ぶなら「コピ・ルアク」で決まり!

コピ・ルアクは、生産過程から味わいまで、すべてにおいて珍しさが際立つコーヒー豆です。家族や仲のいい友人にコピ・ルアクを淹れて、「おいしい!」という感想をもらったところで、「製造過程」について語ってあげるのも楽しいかもしれません。

「普通のコーヒーには飽きてしまった……」という人はぜひ、珍しいコピ・ルアクを楽しんでみてはいかがでしょうか。

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