コーヒーをおいしく淹れるために欠かせないのが、「蒸らし」のひと手間。正しい蒸らし方を知っているかどうかで、自宅で淹れる1杯のクオリティは大きく変わります。しかし、コーヒーを淹れる時になぜ蒸らしが必要なのか、疑問に思ったことがある人も多いのではないでしょうか。そこで、この記事では、ドリップコーヒーで「蒸らし」の工程が欠かせない理由と、おいしく淹れるためのポイントを紹介します。
目次
そもそもコーヒーの「蒸らし」とは?
ハンドドリップにおける「蒸らし」とは、コーヒー粉にまんべんなく少量のお湯を注ぎ、30秒〜60秒ほど放置するひと手間のことです。蒸らしを行うことで、より満足のいく1杯が淹れられます。ここでは、蒸らしを含むドリップコーヒーの基本の淹れ方をおさらいしておきましょう。
- 1杯分の粉(10〜12g)に対し、150mlのお湯を沸かす
- ペーパーフィルターをセットして、粉を入れる
- 20mlほどのお湯をまんべんなく注ぐ
- 30秒ほど待つ(蒸らす)
- お湯を数回に分けてゆっくり注いで完成!
このように、蒸らしはコーヒーを抽出する前に行います。ポイントさえ押さえておけば簡単にマスターできますので、ぜひ挑戦してみてください。
蒸らしでコーヒーがおいしくなる理由
コーヒー抽出時の蒸らしの工程は、豆の中に含まれる炭酸ガスを放出し、コーヒーの成分をムラなく抽出するために行われます。
コーヒー豆を焙煎する際、豆の中の水分が蒸発し、そこにできた空洞に炭酸ガスが充満します。
コーヒーの粉をお湯で湿らすことで、豆に含まれる炭酸ガスが放出されていきます。コーヒーを蒸らすときにモコモコと膨らんでいくのは、炭酸ガスが放出されている証拠でもあり、新鮮なコーヒー豆である証拠でもあるんですね。
蒸らしを行い炭酸ガスを放出させることで、コーヒーの粉のお湯なじみが良くなり、成分が抽出されやすくなるというメリットがあります。
蒸らしを行わずに抽出すると、抽出ムラが出て味わいのバランスを損なう可能性があります。適切な蒸らしを行うことで、コーヒーのうま味成分を最大限に引き出せるようになるため、よりバランスの優れたおいしい1杯に仕上がるでしょう。
コーヒーを蒸らす時の2つのポイント
次に、コーヒーを蒸らすときに押さえておきたいポイントをお伝えします。
1.お湯の量:少量のお湯をまんべんなく
お湯を注ぐ際は、少量のお湯で全体をまんべんなく湿らせることを意識します。お湯の量は粉の量と同量か少し多めに。お湯の量が少なすぎると、粉が湿っていないところが出てきて、抽出にムラができてしまいます。一方、多すぎると、成分が抽出されずにお湯だけがフィルターを通ってしまうことになります。コーヒー粉全体を“お湯の通り道”にすることを意識して、お湯を注いでいきます。
2.時間:適切な蒸らし時間は?
蒸らしは、どのくらい時間をかけるかによって味わいが変わるので、好みに合わせて調整するのもおすすめです。蒸らしの時間を短めにするとスッキリとした飲み心地に仕上がり、ます。ただし、40秒以上にわたって蒸らしてしまうと、渋みが強く飲みにくい1杯になってしまうの注意しましょう。
「蒸らし」をマスターして自分好みのおいしいコーヒーを
おいしいコーヒーには、“蒸らし”のひと手間が欠かせません。お湯の量や時間などのポイントを押さえておくと、とても簡単に自宅コーヒーをグレードアップさせることができます。さっそく今日のコーヒーブレイクから、いつもより20〜40秒だけ時間をかけて“蒸らし”を行ってみてはいかがでしょうか。